土蜘蛛の巣

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zoom RSS 絆の日。

<<   作成日時 : 2009/04/26 02:55   >>

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 ふと思いついたので突然SSです
ついでに出来事。の「再会、はじめまして。 」を修正(主に万葉の口調)

 薄暗い部屋の中に娘が一人。歳の頃は17,8に見えるが浮かべる表情はそれより上ではないかと思わせるものだ。娘は部屋の真ん中に座り、時折言葉を掛けつつ隣にある何かを撫でている。撫でられているのは1m程度の巨大な蜘蛛の異形、蜘蛛童。撫でている娘も人ではなく、土蜘蛛と呼ばれる化生であった。美しい化生は異形を愛しそうに撫でつつ語り掛ける。
「今日はお別れを言いに来たのだよ、名も無き蜘蛛童」
酷薄な笑みを浮かべつつ、優しく目を細める。
「君も知っているだろう。土蜘蛛の中に来て暮らすあのおかしな人間、アレが面白いことを言うのだよ」
愉快でたまらないと喉を鳴らして笑う娘。その様に込められた親愛の情を感じたのか、異形の蜘蛛は娘に擦り寄る。
「あはは。甘えん坊だね、君は。アレが言うにはね『遥か遠くの未来に貴女と繋がる糸があるのが見える』らしいのだよ。………だから、わしは眠りにつくのだ。蜘蛛としては糸の先に何があるか、とても興味があるからね?」
娘はぎゅっと蜘蛛を抱く。………まるでそれが最後の抱擁かのように、それが最後であっても後悔のないように。そして蜘蛛から身を離した娘は、言葉を紡ぐ。
「君にわしの考えを一つ、伝えよう。それをどうするかは君次第。己のモノとしても良いし、使わずとも良い。捨てるのも好きにしたまえ。………ただ、それを抱く限り、わしと君は家族だ」
大切な、絆の言葉を伝える。
「『おもうのは自由、するのは勝手』………何を思うのか。全ては自由、決して己以外に束縛されるものではない。そして何をするのか。全ては勝手、決して己以外に理由を求めるものではない」
言い終えた娘は蜘蛛の側を離れ、出て行った。もう語る言葉はないと、振り向くこともなく。部屋に残されるのは静寂と独りの蜘蛛のみ。

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