土蜘蛛の巣

アクセスカウンタ

zoom RSS お団子のある日

<<   作成日時 : 2009/06/04 21:59   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

このSSは稲田・琴音さんのブログ「銀と灰色の世界にささやかな黄金の青春を」の
5/26「ソフト大会翌日」を受けて書いたものです。出来ましたら、そちらを先にお読み下さい。
………ちなみに私の能力不足によりリンクが張れないので図書館から行くとかの方法になります、すみません。
万葉のステシの感情にいる運命の糸の子ですね。
っていうかここを見るヒトで琴音ちゃん知らないヒトはいないかな?(笑)

 平賀・双葉は困惑していた。普段クールだ、動じないだのと言われる娘ではあるが、全く心を動かさないわけでもない。特に理解できないことを嫌う性質のために『分からない』ことがあると一生懸命に考える。………一心に。
その様はまるで『親の敵を見つけてどうやって苦しめてやろうか』と考えている復讐者のものであったが、幸い周りにヒトはいなかった。琴音の言葉を思い出す。
「双葉先輩、これ……ソフト大会でのご活躍のお祝いです。私と……万葉先輩で作りました」
 まず活躍のお祝いと言うのが分からない。特に勝ち進んだわけでもないのだ。琴音はホームランを打ったから、と付け加えていたが、頻繁にある出来事だ。そんなことを祝うものなのだろうか?………祝うのだろう。双葉はそう結論付けた。自分はお世辞にも世慣れしているとは言えない。それに比べて琴音はどうだ、礼儀も正しく、おそらくきちんとした躾と教育を受けている。そんな琴音が祝い事について間違えるわけがない。きっと日本では『ホームランを打つと三色団子で祝う』のだ。銀誓学園で培った『目の前の出来事をありのまま受け入れる姿勢』と双葉生来の『思い込みの激しさ』そしてちょっとの、本人も意識していない『琴音への劣等感』が結びついた結果だった。
 次に考えることは団子の処理。捨てる等と言う選択肢は最初からない。食べ物は大事にするものだと双葉は思っている。だからこそ、必要の無い自分は食べないという姿勢を貫いているのだが、今は関係ない。贈り物を無駄には出来ない。しかし………
(「これを作るの、姉様も手伝ったって言っていたわね」)
 周囲がどう思っているかは知らないが、双葉にとって姉が手伝ったこと自体に不思議は無い。平賀・万葉は好きな相手が本人の為に望んで頼んだことを断ることはしない。………そういうヒトなのだと思っている。問題は姉が贈り物として作ったということ。それを姉と食べると言うのもおかしい。と、なると一人で食べないといけない。そして一人で食べるには、
(「………量が多すぎるわ」)
 悩んだ末に双葉はそれを学校で昼食代わりに食べることにしたのだった。
「………どれが姉様の作ったものかしら」
 つい口に出してしまい辺りを見回す。幸い、人間はいなかった。

「………人間は、ね」
 くすくすと言う笑い声は誰に聞かれることもなく、消えた。

【おまけ】
 ある日の昼休み、遠古鴫(をこしぎ)キャンパス高校1年7組にて。少女がカバンから箱を取り出す。それ自体は何の不思議もなく、注目することでもない。しかし少女のクラスメイトがそれを目に留める。普段、少女はお弁当を食べることはない。いつもコンビニの袋からパンかおにぎりを取り出すところだ。なので少し気になって見てみる。少食な少女に似合った小さな箱に入っているのは三色団子。当然だが疑問が浮かぶ。クラスメイトは少し悩んでから声をかけて聞いてみることにした。少女は愛想はないが、必要な受け答えはするし、質問への返事くらいはする子だ。
「………ねぇ、どうして三色団子なの?」
 少女がくるりと振り返り、さも当然のことのように答える。
「ホームランを打ったからお祝いよ?」
「そ、そう。打ってたものね、ホームラン」
 クラスメイトはそう返せた自分を褒めてあげたいと思った。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
お団子のある日 土蜘蛛の巣/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる